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■平成21年12月6日/駕与丁公園/開始14時/
○N.ライオンズ 9-8 長尾軍団●

NG:0 1 4 1 0 0 0 2 0:8
NL:0 0 0 0 0 5 3 1 X:9

勝・美澤 1勝3敗2S
松山ー美澤=府後
打・美澤1

【経過】
“永遠の宿敵”“果てしない腐れ縁”“平成の名勝負数え唄”…これまで数多くの激闘を繰り広げ、多くのファンを感動の渦に巻き込んで来た、
長尾軍団との毎年恒例・最終戦。
今回は福岡国際マラソンと同時間帯開催ながらも、熱戦に期待を寄せる多くの観客を集めて行われた。
今年のリーグ交流戦で激突した際には、“試合時間”というリーグ規定の厚き壁に泣き敗れた因縁を持つ。完全決着を望む両チームの提案で、
この日は3時間9イニング制で雌雄を決する事になる。
今季最終戦にして、リベンジを期した戦いのゴングが打ち鳴らされた。

しかし、スタートからドタバタだ。予告先発だった美澤が一番やっちゃいけない“マラソン渋滞”にハマり遅刻。
急遽、予定を前倒しして松山がマウンドに上がるも2回に捕まり先制点を許し、3回には4点、4回にも1点を奪われ、完全に主導権を
握られてしまう。

打線も相手先発ベテラン投手の老獪なインサイドワークに翻弄され、5回まで二塁さえ奪えず僅か1安打。中盤まで0-6と一方的に攻め込まれ、
この日の気候同様、お寒い内容の展開にベンチはますます凍りついていく。

しかし、ここで流れを変えたのは、遅れて来た張本人の美澤だ。二番手としてマウンドに上がると、今季未勝利の鬱憤を晴らすかのような力投!
傾いた流れを引き寄せる。 すると6回、遂に眠れる獅子のNL・No Limit打線が目を覚ました。

1死から“赤い稲妻”久保がセンター前に弾き返し久々の走者を出すと、続く吉武が投手の足元を抜ける痛烈なセンター前安打で出塁。
この試合初めて得点圏に走者を進めると、迎えるバッターは主将・岸本。ライト前におっつけた当たりで二走・久保が本塁クロスプレーに
なりながらも激走ホームイン。
“黄金時代の背番号7”を彷彿とさせるタイムリーでようやく1点を返すと、さらに『1年前のM.I.P.男は俺だ』とばかりに府後までも
ライト前タイムリーを放ち2点目。『お前が打つなら俺も右方向いっちゃうぜ』と“右打ち名人劇場”MG深町までゴロで右方向へ…
しかしこれが、あちゃ〜セカンド真正面…4-6-3と渡る併殺コースに。テンパりながらの激走で一塁は間一髪セーフ!
併殺崩れでさらに1点を返し3点差に詰め寄った。

なお相手先発投手の動揺を誘い塁上を埋めると、ここで迎えるは“チャンスで最も頼りになるNLのアニキ”神谷。
だが打球は三塁前へのボテボテの当たりで1人生還。さらに神谷の俊足ぶりに焦ったサードの悪送球で二走・徳地までもが本塁突入へ。
『ホームへ滑れ〜!!』ベンチの誰もが叫んだ瞬間、生涯初のスライディングへ向けリミッターも振り切れた……はずであったが何と!!!

             両手両足が揃ったまさに曲芸のような匠の技術で生還。
       年間最高峰の権威を誇るM.I.P.までも、もぎ取った。(本人による再現は『マグのブログ』参照)

1点差まで迫る猛反撃で今季初勝利が見えてきた美澤はさらにエンジン全開だ。
7回表の相手の攻撃を退けるとその裏、先頭の“平成に甦る坂本金八”俊三が四球を選び出塁し盗塁。しっかり得点圏に歩を進めた。
続く“進化し続けるベテラン”小田がレフト前にタイムリーを放ち遂に同点とし、久保の内野ゴロで二塁まで進塁。
すると“退化を食い止めたベテラン”吉武が初球を迷いなく振り抜き、打球はライトの頭上を越えフェンスまで達するタイムリー三塁打。

この日チーム唯一の長打で逆転に成功すると、打席には“トリを飾るベテラン”主将・岸本。
ダメ押しの1点を取りに行く作戦は、昨年の日本シリーズ第7戦を思い起こさせる“ライオンズ野球”の真骨頂だ。
岸本の三塁ゴロで三走・吉武が“ゴロGO”ギャンブルスタート。これが鮮やかに決ま……
いや、吉武が本塁前で力尽きヘッドスライディング並みの転倒。突っ伏しながらも右手でホームをタッチし文字通りヨレヨレになりながら
“決死の生還”。老骨にムチ打つベテラン三銃士の活躍でこの試合初のリードを奪った。

後は勝ち投手の権利を得た美澤がこのリードを守り切り、有終のフィナーレを飾る……はずであったが、
この両チームの戦いは、最後の最後までもつれるのが定番だ。

8回キレイに2点を奪われ同点とされると、ここで今季最後の円陣を組み気合いを入れ直す。
するとその裏、1死から神谷がチームダントツトップの四球を選び出塁し、この痺れる場面で二盗、三盗を次々と成功させる。
今季最大最後のハイライト。ここで打席が回ってくるのが、やっぱりあの男だ!“銀河系最恐の四番”美澤!!
カウントを追い込まれ、いつもの放物線を捨て単打に徹した打球は痛烈なライナーでレフト前に弾き返される決勝タイムリー!

土壇場でリードを奪うと最終回もマウンドは“大魔神”美澤。
2死から痛烈な打球がセンター前に抜けようとするが、美澤が足でこれを阻止。冷静に一塁へ送球し、ゲームセット。

1点の僅差ゲームを制しリーグ戦の借りを返す事に成功。
今年もまた、素晴らしい最終戦の死闘を繰り広げた長尾軍団と、来季に向けての健闘を誓い合い、今季全日程を終了した。

■平成21年11月22日/駕与丁公園/開始10時/
○N.ライオンズ 18-2 メイズスクラッピー●

NL:6 2 1 0 5 4 0:18
MS:1 0 0 0 0 1 0: 2

勝・久保 1勝1敗0S
久保ー松山=府後ー神谷
打・吉武1

【経過】この日の試合前、衝撃的なビッグニュースが球界を震撼させた。
今季、準構成員としてNLでプレーを続けていた久保が、自身の所属チームの活動停滞によりFA宣言。同時にNL正式入団を決意。
他チームとの交渉を前に電撃入団に漕ぎ着けたNL首脳陣は、『野球協約に則った交渉が成立し大変嬉しい。今のチームに必要な起爆剤として
大いに期待している。これからは遠慮なくチームの一員として大暴れしてもらいたい』と語った。
試合前に入団会見が行われ、契約金10万ドン。背番号は11で内定した。

この日はそんなストーブリーグの戦力補強にも抜かりがないNLに、また新たなる刺客が現れた。来季よりリーグ戦への新規参入を果たす
相手チームとの練習試合。
“様子見”という気持ちではなく、あくまでも来季に向けての“チャレンジ精神”で挑みたい一戦となった。

しかしこの日は、“投打の重鎮”四番・美澤、“孤高の天才”徳地、“アダッチ・サイクロン”安達の主力3選手が欠場と苦しい布陣。
それでもリーグ戦プレーオフ敗退の悔しさをバネに、来季への飛躍を誓ったNLナインのモチベーションは高まる一方だ。

初回、そんな思いが怒濤のように相手投手へと襲い掛かった。
この日トップに入った松山が四球を選んで出塁し盗塁を決めると、そのアグレッシブなパフォーマンスがナインの闘志を呼び覚ます。
続く府後が左越えタイムリー二塁打で先制点を叩き出すと、三番・神谷の中越えタイムリー二塁打、吉武の打球はイレギュラーを誘い、
結果的に決勝点となる二塁タイムリーエラー、小田の押し出し四球、松山の押し出し死球と、打者一巡1イニング12人攻撃により6点を挙げる。

2回にも主将・岸本がおっつけて右翼線際にポトリと落とす、ベテランらしい味のある姑息なタイムリー二塁打が飛び出し7点目。
さらに小田も左中間を破るタイムリー二塁打でこの回2点を追加し8点目。両ベテランの長打攻勢でリードをさらに広げた。

3回には右越え二塁打で出塁した松山が走者で1死三塁の場面、打者の三番・神谷が何と、三塁前にセーフティスクイズを決め1点を追加。
来季を見据え、大技だけじゃないNL・No Limit打線の真髄をここに見る事となった。

5回も打者一巡の猛攻。久保の左中間を破るタイムリー二塁打、吉武の左前タイムリー、小田のサード強襲タイムリー内野安打などで5点追加。
6回は圧巻の長打攻勢だ。先頭の松山が猛打賞となる右中間を破る三塁打、府後も猛打賞の左越え二塁打、神谷が『いったか〜』
の特大の中越えエンタイトル二塁打、俊三が右中間を破る三塁打と、4打者連続の長打攻勢で4点を追加。
さらにこの日4安打目となる主将・岸本の左中間二塁打などこのイニングだけで5本の長打が飛び出す大空中戦。
決して細工した“飛ぶボール”を使用した訳ではないのにこの飛び具合。これがNL・No Limit打線の真骨頂だ。

正式入団後の初先発となった久保は、回を重ねる毎にストレートの球威が増す頼もしいピッチング。
直球で詰まらせ内野ゴロの山を築き、“伝家の宝刀”スライダーを含めた各種変化球も冴え渡り付け入る隙を与えない。
まさに“ライオンズの背番号11”に相応しい堂々としたエース級のピッチング。6イニングを投げ2失点と、NL初勝利を達成した。

こうなると黙っちゃいられないのが、NLの実質的エース・松山だ。
最終回1イニングを志願登板してキッチリ無失点で締め本領を発揮、本格派左右両投手の競演で歴史的白星を飾った。
来季、“大魔人”美澤を含めた強力な投手陣と、破壊力抜群の強力クリーンアップを擁し巻き返しを狙うNLにとって、
この日の一戦が反攻の狼煙となった事は間違いない。

■平成21年11月8日/駕与丁公園/開始10時/
○アローズ 6-3 N.ライオンズ●

NL:0 0 0 3 0 0: 3
AR:0 0 0 0 5 1: 6

敗・松山8勝4敗
松山ー美澤=府後

【経過】いよいよ今季最大のクライマックス、リーグ戦プレーオフが開幕。
大多数のチームから4強を残すのみ……ここから先は一戦必勝で頂点を目指していく。
今季の集大成、守備陣も各ポジションにベストな布陣を敷いた。プレーオフに間に合ったかに思えた主将・岸本も、無理をせず敢えてベンチから
戦況を見守った。

大舞台を任された先発マウンドにはもちろん、エース・松山が万全の状態で上がる。
いつものように飄々としながらも、静かなる闘志を内に秘め気合いを入れ直す。
リーグ交流戦で対戦した時には初回から猛打を浴び、自らの調子を取り戻せないまま実質KO。
その借りを返すべく挑んだ立ち上がり。
初回、打球はいきなりショート後方微妙な所へフラフラと舞い上がる…。
この日レフトに入ったベテラン・小田が俊足を生かして追いつき地面スレスレでキャッチ。
老骨にムチ打つ決死のファインプレーで松山を助けた。

こうなれば松山の投球パフォーマンスが遺憾なく発揮される。強打の相手打線を前に慎重に行き過ぎて走者を背負うも、
勝負所は力で三振を奪い得点を許さない。まさに“ライオンズの背番号16”に相応しい鬼気迫るピッチングだ。

エースの力投で痺れるような投手戦。何としても打線が応えたい4回、均衡を破ったのは野武士揃いの強力クリーンアップだった。
先頭の“恐怖のラストバッター”久保が痛烈なレフト前安打で出塁し盗塁も決め、得点圏に走者を置いていつものようにトップへと繋ぐ。
するとここまで不振に喘いでいた“孤高の天才”徳地が状況判断のセカンドゴロで走者を確実に三塁へと進める。
ここで、チャンスに動揺した相手バッテリーのミスで三走・久保が本塁を陥れ遂に先制点を奪い取る。

続く主将・岸本はマウンド上の投手との“宿命の同級生対決”に燃える。グランド上は熱い火花が飛び散る。運命の一球!
グシャ……あ〜まさかの死球だ〜。ここでスタン・ハンセンのテーマ曲『サンライズ』が鳴り響くと、
痛みを忘れて岸本がマウンドへ走りかける。マウンド上の同級生投手も応戦の構えだ。おお〜っと
この大舞台でまさかの乱闘に発展かぁ〜!!!

球場を囲む大観衆も興奮のるつぼだ。しかし、さすがはお互いにいい齢したベテラン同士、
アイドルの野球大会のように盛り上げるだけ盛り上げた後、何事もなかったかのように穏やかなる“和解”。『死球ありがと〜』
笑顔で一塁に歩くと、『痛くて走れねえよ〜』という雰囲気を醸し出しつつも、あっさり盗塁を成功させた。
このパフォーマンスでクリーンアップの闘志に火が点き、同時に適度なリラックス効果を与える……
さすがはNLが誇る策士、この辺は全く抜かりがない。

1死二塁、ここで迎えるは三番“こんな時こそ頼れるアニキ”神谷。バックスクリーンのモニターには懐かしの映像が流れる。
'07年11月4日、榎田での対ホワイトスネイクス戦。第2回パブリック・リーグ最終戦、
1点を追う土壇場の最終回に放った優勝を決める決勝のセンター前逆転2点タイムリー……走馬灯のように甦る感動のシーン……
こうなれば一気に押せ押せだ。神谷は期待通りにレフト前安打で続きチャンス拡大。
迎えるは“本日充電MAX状態”四番・美澤。
高まる柵越えへの期待……耳をつんざく大歓声に消された打球音!!『行ったかぁ〜!!』しかし美澤特有の放物線は
スタンドまでは届かない……それでも犠牲フライには十分な飛距離だ。三走・岸本がホームに還り2点目を奪う。

まだまだ攻撃の手を緩めない…それがNL・No Limit打線の真骨頂だ!続いて打席に向かう哀愁漂う男のシルエット、
それは“平成に甦った若き鉄矢”五番・俊三。
相手投手の投球に体勢を崩されながらも、腐ったミカンの方程式を解き放つように振り切った打球は技ありのセンター前タイムリー。
貴重な追加点でリードを3点とすると、後はこのまま松山のピッチングで逃げ切りのはずだった。

しかし、野球は下駄を履くまでわからない。
ゲームも終盤に差し掛かった5回裏、毎回のように走者を背負いながらも絶妙な投球で無失点に切り抜けてきた松山。
逞しさを増した若きエースの姿に、ベンチの首脳陣もひとしきり涙する。
この回も得点圏に走者を許しながらも2死を取り、あと一人まで踏ん張ったが、しかし、
ここでライト前に2点タイムリーを浴び1点差に迫られる。それでもあと一人踏ん張れば流れを戻せる。
祈りにも似た思いを託し松山が投げ続ける。しかし……打球はレフト方向へ高く舞い上がった。
レフト・小田が半身の体勢で猛然とバックする。全員の視線が小田の動きを追う。『止まってくれ〜!捕ってくれ〜!!』。
しかし無情にも打球は小田のはるか頭上を通過してフェンスを越えてしまった……まさかの逆転3ラン本塁打……。

目の前で起きた現実を否定するかのように、時が止まった…。

これまで幾多の劇的な勝利を演出してきたNLが初めて喫した屈辱的敗戦。
まさに平成に甦る10・19の悲劇……この屈辱を忘れる者はいないだろう。そして今日からまた、リベンジへの戦いが始まって行く。

■平成21年10月25日/駕与丁公園/開始10時/
△N.ライオンズ5-5 プレイボールズ△

NL:0 0 0 4 0 1: 5
PB:0 0 0 4 0 1: 5

松山ー美澤=府後

【経過】リーグ戦プレーオフを翌月に控え、最後の調整段階に入った。
今季序盤に左肩を痛めて以来、スタメンから遠ざかっていた主将・岸本が久々の先発ショートで復帰。
プレーオフ前に完全な布陣を整えて、いよいよシーズンのクライマックスを迎えた。
また、ベテランの小田、吉武を先発DHとして“老体温存”させ、打席に集中させる“岸本マジック”がこの日も的中した事は言うまでもないだろう。

2試合ぶりの登板となった先発・松山は、立ち上がりから快調なピッチング。3回まで両チーム先発投手の踏ん張りもあって、お互い0行進。
4回に突如ゲームが動き出した。均衡を破ったのはNL・No Limit打線の真骨頂、2死無走者からの猛攻撃だ。
神谷が死球にも“100万$の笑顔”で出塁を果たすと、涼しい顔で盗塁を決め得点圏チャンスのお膳立て。
こんな場面で打席が廻ってくるのがこの男の宿命だ……“人類最恐の四番打者”美澤!
獲物を狙撃するかのように鋭く弾き返した打球は、左翼線上を痛烈に襲うタイムリー二塁打。神谷がホームに還り先制点を奪った。
このまま繋がり出したら止まらない打線は、続く“ロン毛のプリンス”俊三がサードへの渋〜い内野安打でチャンス拡大。
続く小田の、またしても渋〜いセンター前へのポテン安打がタイムリーとなり2点目。
さらに相手バッテリーエラーで3点目を入れると、続く吉武は痛烈な打球でライト前タイムリーを放ち4点目。しかしあまり
の球足の速さに、あわやライトゴロになりそうになりながら、老骨にムチ打つ全力疾走で一塁に到達。
前半DHで体力温存を果たした効果が表れ、貴重な追加点を挙げた。

こうなるとNL勝利の方程式“MMリレー”の完成に、場内が沸き返る。4回1死、先発・松山からバトンを受けた“NL大魔人”美澤が
予定通りマウンドに上がった。誰もが勝利を確信した………はずであったが、試合はとんでもない方向へと進んで行く。
自慢の速球を弾き返されると暴投、そしてまた安打を浴びるなど今イチ調子に乗りきれない。
いつものような躍動感溢れるピッチングは影を潜め、下半身(臀部)周辺に粘りがない。なぜだ〜!!

そんな心配を余所に塁上には走者が溜まり、あれよあれよという間に同点に追いつかれてしまう。
それにしても下半身にいつものキレが無いのはなぜだ〜!
思わぬ形で同点とされたが、ここで引き下がる訳にはいかない。

6回、打順は“今日も頼れるアニキ”神谷。無理することなく四球を選び、美澤に繋ぐ。心配なのは下半身に粘りがない事だ。
心配だ!大丈夫か〜………という心配も全く無意味だとばかりに、臀部を引き締めて右方向へ!!
打球は右中間で弾む間に神谷が激走し勝ち越しのホームイン!何だかんだ言っても、結局この男が主役を持ってイッちゃうぞバカヤロー!!
今度こそ大丈夫だ。後はマウンドでも臀部を引き締めて最終回を抑え切ってくれ!!
そんなベンチの期待に応えた美澤は簡単に2死を奪い、あと1人の場面にまで持ち込む。

今度こそ大丈夫だ、ありがと〜………
………と思ったのも束の間、再び安打、四球、暴投…最後の最後でまたまた荒れ出し、まさかまさかで同点に追いつかれる。
無念…下半身は、持たなかったのか……今度はまさかの逆転サヨナラ負けが脳裏をよぎる。
最後の気力を振り絞って美澤が後続を斬って取り、何とか引き分けに持ち込んだ。

ちなみにベンチへと戻った美澤は、顔面蒼白のままW.C.と書かれたトレーナー室へ直行し“土石流”を排出。
患部(臀部?)の具合が気になるところだ。

負けなかった収穫と、勝てなかった課題を背負いNLナインは各々、グランドを後にした。

■平成21年10月18日/榎田公園/開始13時/
○プレイボーイズ 9-8 N.ライオンズ●

PB:3 1 4 0 1 : 9
NL:5 3 0 0 0 : 8

敗・美澤0勝3敗2S
久保ー美澤=岸本ー神谷
本・美澤2号(2ラン=推定飛距離120m)

【経過】練習試合とはいえ、リーグ戦プレーオフを控える選手たちにとってはモチベーションを高める大事な一戦となった。
リーグ戦では試す事が出来なかった起用・采配も随所に取り入れた。
ここ最近はベンチでの司令塔に徹し、“恐怖の岸本マジック”と恐れられる采配を見せる主将・岸本。この日は何と老骨にムチ打ち
スタメン捕手としての強行出場。
さらに遊撃には俊三が入り、内野テスト。試運転とは思えぬ軽いグラブさばき、強肩を生かした送球など確かなる収穫を得た。
マウンドにはNL参戦以来初先発となる久保。切れ味鋭い伝家の宝刀・スライダーで活路を見出だすも、久々の先発でペースを掴み切れず
初回に3点を先制されてしまう。

立ち上がりを突かれての先制にベンチのムードも沈滞気味……になる訳もなく、チーム一丸となっての反撃を開始した。
打線組み替えによりトップに入った久保がいきなり三塁線上に弾き返す二塁打で出塁。
二番に入った松山が大量点を予感させる“お約束”の死球を浴びて繋ぎ、ベンチの拍手喝采で俄然盛り上がりを見せる。
ここからリーグ屈指の強力クリーンアップが登場だ。
まずは三番“頼れるアニキ”神谷が期待通りの打撃で右中間を破る2点タイムリー二塁打。
1点差に迫ると、四番“遅れて来た重鎮”美澤。“顔”で貫禄の四球を選び、さらに繋いで行くと相手バッテリーのエラーを誘い3-3同点。
さらに五番『長髪の“奇公子”』俊三は得意の右方向でライト前タイムリーを放ち5者連続出塁の猛攻で遂に逆転に成功!
止まらない打線はさらに、小田の絶妙なバットコントロールによるセンターへの犠牲フライ。確実に得点へと導きリードを広げる。
まだ終わらないNL・No Limit打線は、続く吉武が痛烈に一二塁間を破るライト前安打を放ち、結局7打者6打数連続出塁の猛攻で5点を奪い
一気に逆転に成功。

2回に1点を返され1点差に迫られるとその裏、2死無走者からまたも猛打を浴びせる。好調な松山がライト前に弾き返すと、
神谷も1打席目と同様に右中間に弾き返し、外野手の頭上をはるかに越えるタイムリー二塁打。
一塁から俊足・松山が一気に生還し追加点を奪った。
こうなると、あとは球場に訪れたNLファンの為にも、ここは季節外れの大花火が見たい!!
打席の“怪童再来”四番・美澤が放った打球は、アーチストらしい放物線を描きながら高く飛んで行く。
途中で左翼手が追うのをあきらめるほどの当たりは、左翼フェンスをはるかに越える今季第2号2ラン本塁打!!

リードを4点に広げる主砲の一打で試合を決めたかに思えたものの、相手チーム強力打線の猛反撃に遭ってしまう。
3回に4点を返され一気に同点とされると、投手は久保から“大魔人”美澤にスイッチ。
美澤が登板している間に何とか勝ち越し点を挙げたい……という淡い期待も虚しく終盤5回に1点を奪われてしまう。
いよいよ万事休すか…と思われた最終回、最後の最後に、大きなヤマが待っていた。
先頭の打席には、この日特大の一発を放っている、美澤が狙うは同点弾しかない。いけいけGO!GO!美澤〜!!
ベンチの期待を乗せた打球はまたしても放物線を描きレフトへ………『行ったか〜!!!』
………しかし、僅か数ミクロン芯を外して詰まった打球は左翼フェンス手前で失速し外野手のグラブに収まってしまった。
後続も倒れ、僅か1点差の惜敗……しかし、下を向いてばかりはいられない。NL2009の戦いはまだまだ続く。

■平成21年10月4日/田尻田園/開始11時/
○N.ライオンズ 8-5 Peeps●

NL :0 3 1 1 3 : 8
P : 1 0 0 0 4 : 5
勝・松山8勝3敗0S
S・神谷0勝0敗1S
松山ー神谷=府後
打・俊三

【経過】長丁場の激闘を経て、ようやく辿り着いたリーグ最終戦。当面の目標であるプレーオフ進出へ向けての“挑戦〜最終章〜”が始まった。
そんな中にあってこの日、“怪童再来”四番・美澤と“斬り込み隊長”安達の2名を欠く非常事態。
ここはチーム一丸となっての“全員野球”で最大の危機を乗り切るしかない!

NL戦初登板となる相手先発投手に初回、三者凡退に抑えられてしまう。
いきなり不穏な空気が漂うその裏、先発・松山が被安打0のまま1点を献上し、先制を許してしまう。
こんな時こそ“ヒーロー”の出現が欠かせない。出でよ、救世主!!と、
叫んだ直後、チーム最年少ながらこの日、四番に座った“長髪∞”大濱俊三がセンター前に弾き返すチーム初安打で出塁。
続く“絶好チョ〜男”小田を警戒し過ぎて四球で歩かせると、スチール成功で無死二、三塁。機動力で突破口を開きにかかる。
ここで打席に向かう“蘇ったベテラン”吉武に、ベンチから主将・岸本の“囁き”が出る。ここ最近の采配ズバリ的中でNLの企業秘密的な戦術だ。
軽く頷いた吉武は2球目内角をすくい上げ、ファウルにならない逆スライスを描く技ありの右翼線上タイムリー三塁打。2者が生還し逆転。
またしても采配的中にベンチの主将はニヤリ。逆転打の吉武は『あくまでも企業秘密なんで』と多くを語らない。
さらに続く松山まで同じようにライト前に弾き返すタイムリーで自身を楽にする貴重な追加点を奪う。

3回には弟分の活躍に刺激を受けた“NLのアニキ”神谷が、一日限定V字モヒカンに刈り上げた気合いのヘアスタイルで2死無走者から
四球で出塁し、流れを切らない。
さらに動揺した相手バッテリーのミスで生還。もぎ取った1点でさらに波に乗った。

4回には松山が久々となる“お約束”の死球を浴びベンチの喝采を受けて出塁。
2死二塁となり打席には“メジャー級”の構えをしたMG深町が、いつものようにギャップの激しいコンパクトな右打ちでライト前にポトリ。
これがタイムリーとなり4−1。
『今日の小田さんは打席で力んでましたよ〜』と人の心配までする程の余裕を見せつけたMG深町の貴重な一打でリードを3点に広げた。

5回には“プレイヤー”としての血が再び騒いだ岸本が、四球を無視してカウント0−3から打ちに行った打球は痛烈なセンター前安打で出塁。
神谷の死球でチャンスを広げると、『四番』俊三が猛打賞となるライトオーバーのタイムリー三塁打を放ち2者生還。
ダメ押し点に沸くベンチから再び主将・岸本の“密命”を受け打席に入った吉武が放った打球は、痛烈なライナーでショートの頭上を越え、
あっという間に左中間を破って行ったタイムリー二塁打。それでも『これがNLの企業秘密だから』と多くを語らない。

長打攻勢で点差を広げ、あとはエース・松山の締めのピッチングを見守るだけ…と楽観したのも束の間、最後にとんでもないヤマがやって来た。
最終5回裏、突如ストライクが入らず2点を返され、さらに無死満塁の大ピンチを迎えたところで自ら降板の意志表示。
これまでエースの責任感で、自らマウンドを降りる事などあり得なかった男のアクシデントに、ベンチも緊張感が走る。
しかも!こういう時に限って、“NL大魔人”美澤がいない!!一体誰が投げるんだ。
メンバー全員が『まさか…俺か?』という淡い期待を抱きながらも、この大事な局面でマウンドに送り出したのは、リリーフ経験のある神谷だ!

しかしスクランブル登板でなかなかコントロールが定まらない。1点、また1点と返され気がつけば3点差。
一打同点の窮地にまで追い込まれる。なんとか最後は球威で勝った神谷が何とか凌ぎ切りヒヤヒヤの末にゲームセット。
これでプレーオフ進出マジックを1としてリーグ戦全日程を終了。
試合終了後、対象チームの敗戦連絡が入りプレーオフ進出が決定し、“最終章”に向け、NLの09’シーズンはまだまだ終わらない!

■平成21年9月27日/西畑運動公園/開始10時/
○N.ライオンズ 4-0 福岡ブルドッグス●

NL:0 1 1 1 1 : 4
B :0 0 0 0 0 : 0

勝・松山7勝3敗0S
松山=神谷
打・なし

【経過】リーグ第13戦。
リーグ戦も残り2戦。
プレーオフ進出を確実なものにする為にも、もう絶対に落とせない戦いとなる。
試合前、主将・岸本がNL左打者トリオ・レフティーズの3人(吉武、徳地、松山)を召集し緊急ミーティング。
企業秘密として詳細は明かされないものの、この試合に懸ける意気込みを感じさせる場面だった。
その当事者である先発・松山が立ち上がりを無難に抑え、試合の主導権を握ると2回にゲームは早くも動き出した。

1死から小田の鋭く振り抜いた打球が、左中間を破る二塁打となって出塁。この日もベテランのバットが唸りを上げて突破口を開いていく。
2死となるも松山の打席で走者・小田の足を警戒し過ぎた相手バッテリーの連続ミスを誘い、まずは1点を先制する。
続く3回にはいつものように先頭の“恐怖のラストバッター”久保が四球で出塁すると、徳地、神谷が“あの男”へのお膳立てとして出塁し
1死満塁。ここで打席は“あの男”四番・美澤!!
NL和製大砲が放った打球は極端に下がっていたレフトへの大飛球。グランドスラムには及ばなかったものの、確実に犠牲フライとなり
三走・久保が楽々ホームイン。キッチリ四番の仕事を果たした。

4回には先頭の小田が四球で出塁すると、続く吉武の打席の初球、すかさず盗塁を決める。さらに2球目暴投の間に三塁まで進塁。
ここでベンチの主将・岸本から打席の吉武へ指示が出る。『戦術面かメンタル面かは企業秘密なんで言えないけど、あれで楽になった』
と言う打球は痛烈なライト左へのタイムリー。守備が打球処理にもたつく間に、打った吉武は老骨にムチ打ち果敢に二塁をも陥れる積極走塁。
ベテランの執念がベンチを鼓舞する。
ここでも岸本マジックによるレフティーの活躍で得点差を3点へと広げた。

5回には“レフティーズの砦”徳地が大地を揺るがすかのようなフルスイングで空振り。しかしスイングの衝撃波で捕手がボールを取り損ね、
振り逃げにより出塁を果たすと、水を得た魚のように塁上で大暴れ。
二盗、三盗を次々と成功させ足で相手バッテリーを撹乱。レフティーの度重なる活躍ぶりに、ベンチの采配も的中し試合を優位に進めていく。
1死二、三塁。そうなると仕上げに登場した四番美澤がタイミングを合わせ巧みにレフト前に弾き返すタイムリーで一人ホームイン。
さらにここで“プレイヤー”としての血が騒いだ二走・岸本が続け様に三塁を蹴ってコーチャーの指示を仰ぎながら一気に本塁へ………
しかし、コーチャーの指示が曖昧だったのか、“壊れた信号機”だったのかは定かではないが、前代未聞の塁間で『どっちやねん!!』
老骨にムチを打ちながらの激走も三本間に挟まれ無念のタッチアウトに。

しかし、そんなベテランの身体を張ったプレーの連続に触発されたのが、この日、捕手として起用された神谷。
『絶対に先の塁には走らせない!』とばかりに2回、二盗を自慢の強肩で刺す。
すると相手走者も5回、負けじと果敢に三盗を試みるも、またしても神谷の強肩に阻まれタッチアウト。
さらに負けじと続く走者から全く同じように好スタートの三盗を仕掛けられるも、
ついさっきのVTRを見るような寸分の狂いもない矢の送球で刺す連続の三盗阻止。
草野球らしからぬパーフェクトなパフォーマンスの連続に球場が凍りつく。
先発・松山はそんなバックの堅い守りに助けられながら、持ち味を遺憾なく発揮して完封。7勝目を挙げエースの貫禄を示した。

度重なる采配の的中、ベテランの奮闘、そして主軸の爆発!!大事なこの時期にきてNLの大車輪がいよいよ歯車を噛み合わせてきた!

■平成21年9月13日/駕与丁公園/開始10時/
○チームH 6-4 N.ライオンズ●

TH :0 1 0 0 5 0 : 6
NL :0 1 3 0 0 0 : 4

敗・松山6勝3敗0S
松山ー美澤=府後

【経過】リーグ第12戦。
同一ブロック対決に戻り、プレーオフ進出をかけての過酷な戦いが続いていく。
先発の松山は初回を無難に無失点に切り抜けたものの、2回に早くも満塁の大ピンチ。
これを1点だけに切り抜けるとその裏、NL打線が確実な攻めで追撃を開始。

先頭の吉武が四球で出塁すると、2本の内野ゴロの間に2死となるも三塁まで進塁。
ここでこの日、“岸本マジック”により打順入れ替えで廻ってきた松山が期待に応え、ライト前にしぶとく落とす同点タイムリー。
采配的中で追いつくと勢いに乗る打線が3回、一気呵成に攻め込む。1死から神谷が出塁すると、
“帰ってきた四番の指定席”“NLのおかわり君”こと美澤が左中間に弾き返す二塁打で勝ち越し。
さらに“眠れぬ若き主砲”俊三がセンター前安打で繋ぐと、ここで打席はチーム最高打率を誇る“ベテラン狂い咲き”小田。
やはりベンチの期待にキッチリ応えたベテランは、逆らわず右中間へキレイに弾き返す2点タイムリー。
中軸の3連打で一挙3点を勝ち越すと、エース・松山も4回をピシャリと抑え、流れを持ってきたはずであったが悪夢の5回、
とんでもない落とし穴が待っていた。

内野守備の乱れと制球の乱れ、相手チームの執念の粘りと、1度ならず2度までの微妙な判定に泣く間に、あれよあれよの同点劇。
さらに1死満塁と攻め立てられ、ここでマウンドは松山から“大魔人”美澤にスイッチ。これまで絶体絶命のピンチを幾度も救ってきた男が登板!
大丈夫だ、頼んだぞ〜と皆が叫んだ次の瞬間、まさかの2点タイムリーを浴び、ビッグイニングを作られ大逆転を許してしまう。
その裏、2番からの期待の好打順も、押せ押せの相手投手に阻まれ、いよいよ万事休すか……と思われた最終回、最後の最後で思わぬ
ラストチャンスを演出。ここで簡単に終わらないところがNL・No Limit打線の真骨頂だ!!

規定の残り試合時間が少ない中、先頭の俊三が火の出るような右前安打で出塁すると、小田も執念で右前に落として繋ぐ。
しかし、いかんせん残り試合時間が少ない。ここで主審が『次の打者で打ち切り』を宣告。
2点差で無死二、三塁、次打者での試合打ち切り…即ち、NLが勝利する為に残された選択肢はただ一つ、逆転サヨナラ3ラン本塁打しかない!
この極めて絶望的な条件の十字架を背負い、打席に向かったのはチーム最年長にして唯一の旗揚げ以降全試合フルイニング出場中
“NLの鉄人”吉武だ!!
そんな絶望的な条件の中でも、何か不穏な空気が球場を包み込んでいる……。
過去のデータを振り返ると'07年7月29日、柏原球場で打席の吉武はマウンド上の相手投手から右翼席へ本塁打を放っている!!
注目の初球フルスイングはファウル。2球目フルスイングは空振り。外れたボール3つを挟みフルカウントに。NLベンチも総立ちだ。
『四球でも負け』、ボール球でもフルスイングしかない!……直球勝負をフルスイングで返す……。
『この期に及んで勝負を避けた四球ならネットにカキコミする』とベンチから主将岸本が相手投手にプレッシャーを与える中、
運命のラストボールを打ち返した打球は、スタンドには程遠く無念の内野フライに………万事休す。
毎年のように熱戦を繰り広げてきた相手チームに、およそ3年10ヶ月ぶりの黒星を喫し、リーグ戦はさらに混沌としてきた。

■平成21年8月30日/社領南公園/開始13時/
○N.ライオンズ 10-1 福岡NR●

NR:0 0 0 0 1 0: 1
NL:1 0 4 0 5 X:10

勝・松山6勝2敗0S
松山=府後
打・岸本1

【経過】リーグ第11戦。NL通算100試合目のメモリアルゲーム!
長丁場のリーグ交流戦も今日が最終戦。勝って勢い良く同一ブロック内のリーグ戦に戻りたいところ。
ところが、開幕から打線を引っ張ってきた、史上最強にして最重量の四番打者・美澤が無念の欠場。
しかしそんな心配は御無用だ、とばかりに打線は初回から早くもエンジン全開。1死から主将・岸本が出塁すると、すかさず盗塁成功。
そして2死一、ニ塁から小田が渋〜く一、二塁間に運び俊足を活かして内野安打。その間に岸本がホームイン。
四番不在の不安をまずは“足”で払拭…NL・No Limit打線の機動力で先制した。

3回には2死から粘りの追加点。主将・岸本がジャストミートした打球が左翼めがけてグングン伸びる。『いったか〜!?』
あわやの大飛球が左翼オーバーとなり、老骨にムチ打つ激走でタイムリー三塁打。
さらに神谷が痛烈にショート左を襲うタイムリー内野安打で続き、『美澤さん不在は僕に任せて下さい』とばかりに四番に座った俊三が左中間を
襲う大飛球!『いったか〜!?』
の打球は左中間フェンス上部に直撃する二塁打でつなぐ。
さらに続く小田が度肝を抜く驚異の打球を放った。おっつけて一、二塁間を抜けた打球はさらに加速し、そのまま右中間をも真っ二つ。
“怪童”もびっくりの2点タイムリー三塁打でこの回一挙4点。

5回には再度ビッグイニング。
1死満塁から四番・俊三の右前打を皮切りに、小田、吉武、松山までの4者連続打点の猛攻を見せ5点を奪いダメ押し。下位打線も好調だ。
MG深町は5回にクリーンヒットを放ち、嬉しさのあまり一塁ベース上で『すげ〜うれし〜』と異例のコメントを発表。
安達は出塁するとチーム内屈指の俊足を活かし盗塁を決め、守備ではライト前ゴロ安打の打球を掴むと自慢のレーザービームで打者走者を
一塁で刺すビッグプレー!
“恐怖のラストバッター”久保は左翼への『いったか〜!?』の大飛球(記録は二塁打)を含む2安打全打席出塁。
四番不在で苦戦が予想されたものの、『いったか〜!?』の長打攻勢などで、結局、11安打10得点の大爆発。

投げてはエース・松山が立ち上がりから制球良くテンポ良い投球を見せる。
先制した直後の2回には1死一、三塁のピンチを無得点に切り抜けるなど、6回1失点の無四球完投で6勝目。
バックも堅い守りでエースを助けて10-1で快勝。リーグ戦の貯金を2とし、プレーオフM3が点灯した。

■平成21年8月9日/駕与丁公園/開始12時/
○アローズ 9-6 N.ライオンズ●

AR:5 0 2 2 0: 9
NL:0 2 2 0 2: 6

敗・松山5勝2敗0S
松山=府後

【経過】リーグ第10戦。
過酷な戦いも後半戦に突入し、さらなる厳しい戦いを強いられる事となる。
先発マウンドにはいつものように松山が上がった。先発完投型の左腕エースにとって、何よりも大事なのは立ち上がりのコンディションだ。
しかし、試合開始直前からいきなり雨が降り出す。文字通り、暗雲立ち込める立ち上がりとなってしまった。
だが嘆いてばかりはいられない。どんな苦境にも立ち向かう事が、真のNLエースの姿だ!
緩むマウンド、滑る指先……それでも懸命に修正しながら、捕手・府後の構えるミットへ投げ続ける松山。しかし、この悪コンディションでは
最高のパフォーマンスを発揮する事は酷すぎた。
いつもの絶妙な制球力が影を潜めて走者を許し、置きに行ったボールを痛打される悪循環……気がつけば初回、いきなり5点を失ってしまった。

展開を読んでしまうチームならば、ここで既に“捨てゲーム”。しかし、NL・NoLimit打線に“あきらめ”の文字は存在しない。
2回に相手エラーで1点を返すと、なお得点圏に走者を置いた場面で、打者は松山。
『チームに迷惑をかけた分、必ず取り返したかった』と、鋭く振り抜いた打球は右中間に弾かれるタイムリー二塁打となり、
さらに1点を返して3点差。ワンチャンスで挽回できる展開にまで戻した。
ところが3回、序盤の不調から立ち直れない松山がさらに2点を失い、再び5点差にリードを広げられてしまう。
それでもあきらめない打線はその裏、追撃の斬り込み隊長・安達が執念の四球を選び、久保も相手エラーを呼び込んでチャンス拡大。
最強の下位コンビがいつものようにチャンスを作りトップへ……いつもの打線爆発の方程式を完成させた。
が、頼れる1、2番がまさかの凡退で2死。ここで押せ押せの流れを断ち切ってしまうのか……。
NLにはさらに強力なる番人がいる。3番・神谷がいつものようにチャンスに燃える男が放った打球はレフト前に達する2点タイムリー。
またまた3点差へと詰め寄り、ゲームの行方をわからなくする。

だが二度ある事は三度ある……4回に2点を失い、さすがにこのダメージが響き万事休すかと思われた最終5回裏、
とんでもない見せ場がやってた。
簡単に2死となり、迎えたラストバッター久保も打ち損じたライトフライでゲームセット……しかし、ここでライトがまさかの落球。
首の皮一枚繋がった事で息を吹き返したNL打線が、最後の最後で相手投手へと襲い掛かった。
久保の盗塁で得点圏に進んだところで、トップの徳地がキレイにセンター前に弾き返すタイムリー。
さらに2番、主将・岸本が『最後の打者になりたくない』とばかりに左中間に弾き返すタイムリー二塁打で三たび3点差に。
1、2番の連続タイムリーで勢いを加速させ、3番・神谷は『美澤さん、後は任せました』とキッチリ四球を選び出塁。
このゲームはまさに、土壇場最終回のこの場面のために演出された展開だったのか!野球とは筋書きのないドラマと言われるが、
この男を迎える事によって、何もかもが台本通り、予定調和のハッピーエンドで幕を降ろすのか!
土壇場最終回3点差2死一、二塁。一発が出れば同点。打席には“史上最強の最重量四番打者”“泣く子も黙らすホームラン・アーチスト”美澤!
相手投手も逃げずに真っ向勝負を挑む。タイミングをはかる美澤。固唾を飲む両軍ベンチ。
NL応援スタンドからは『ここで一発、ミ・サ・ワ』の大合唱だ。
鋭く振り抜いた美澤の打球は、放物線を描きセンターへ……しかし、推定数ミリ、バットの芯を外れてしまった打球は、最後の最後に失速し、
無念のセンターフライに終わった。ゲームセット。
見せ場を作りながらも痛い敗戦。この借りは秋の大舞台で……。再びリベンジを違い球場を後にした。

■平成21年8月2日/駕与丁公園/開始15時/
△N.ライオンズ 3-3 グラディエイターズ△

NL:0 0 0 3 0: 3
GA:0 0 0 1 2: 3

松山—美澤=神谷

【経過】リーグ第9戦。
昨年のリーグ覇者を迎え、各選手のモチベーションは否応なしに高まり、試合は白熱の“死闘”となった。
先発の松山は丁寧な立ち上がり。相手打線に不必要な走者を出させないピッチング。
先発マスクを被った神谷も、同級生バッテリーとして絶妙な好リードを見せる。
松山が安打を許すと、相手走者の盗塁に対しては矢のような送球で刺し、付け入る隙を与えない。
序盤3回までは緊迫した投手戦。一気に均衡を破ったのは4回表の攻撃だ。
1死からラストバッターの久保が粘りに粘って四球を選びトップへと繋いだ。徳地が勝負所を見極めて、
これまた四球を選び1死一、二塁とチャンス拡大。
続く岸本の打席。投球がワンバウンドし捕手が小さく弾いた僅かな隙をついて、二走が三塁を陥れた。
ここで頼れる主将は打席で『転がせばいい』と場面に適応したバッティング。叩きつけた打球は大きくバウンドしながらの三塁ゴロで
待望の先制点を奪った。
ここでクリーンアップへと繋がる押せ押せムードで、一気に突き放したい!!
クサいボールを全て見極めた神谷が四球を選び出塁すると、すかさず盗塁を決め2死二、三塁。
最大のお膳立てが整った後は、泣く子も更に泣く史上最強最重量四番打者・美澤!!
ベンチの期待を一身に背負った打席で長打を捨てて見事にレフト左に弾き返す2点タイムリーで3-0。リードをさらに広げた。

しかし相手はディフェンディング・チャンピオン。簡単には引き下がらない。すぐさま4回裏、大技小技で1点を返され、
なおも走者を残し大量点の大ピンチだが、ここで踏ん張るのがエースの証だ、とばかりに後続を断ち、一気呵成の大量点を許さない。
ピンチの後にチャンスありのセオリー通り、5回表には代わった相手投手の制球難につけ込み、吉武、府後、松山の3連続四死球で
1死満塁と追加点のチャンス。しかし後続が連続三振に倒れ、得点ならず。試合の流れを相手チームへと持って行かれてしまう。
流れを食い止めようと渾身の投球を続ける松山……しかし心身共に疲労度は限界に達してしまい2点を失い同点に追い付かれると、
なお1死二、三塁、勝ち越しの走者を残し無念の降板。
だが、チームの士気は落ちてはいない。『松山の力投を無駄にするな!』を合言葉に、絶体絶命のピンチでマウンドに上がったのは、
投打の大黒柱・美澤。昨年のリーグ戦では自身初のサヨナラ負けを喫した相手チームへ雪辱の登板!
だがリーグ規定の残り試合時間が少ない。このまま劣勢が続けば、勝ち越しを許した段階でのサヨナラ負けが脳裏をよぎり、
万全を期して守備固めに入った。

故障の影響でDH出場の主将・岸本が遊撃へ、遊撃・久保は三塁へ、そして強肩の松山は右翼へ。
マウンド上の美澤は、『サヨナラ負けだけはご免だ』とばかりにエンジン全開。
最初の打者を内野ゴロに打ち取ると、飛び出した三塁走者を三本間に挟みタッチアウト。続く打者を力のある速球で二塁フライに打ち取り、
見事な火消しを見せた。
結果、試合は3-3の引き分けに終わった。
リードを追い付かれた反省と、土壇場で勝ち越しを許さなかった収穫を糧に、秋には“大舞台”での再戦を誓いグラウンドを後にした。

■平成21年7月5日/雁の巣6/開始11時/
○STARBOSE 12-10 N.ライオンズ●

SB:5 2 1 4:12
NL:0 0 5 5:10

敗・美澤0勝2敗2S
美澤ー松山=府後

【経過】雨天中止と突然の開催中止により1ヶ月近く日程が空いた末に久々のリーグ戦。
やはり懸念されたブランクが悪循環となったのか、初回5点を先制される最悪のスタート。
久々の先発となった美澤も流れを止め切れず、しかも守備の乱れからくる大量失点も重なり厳しい展開に。
2回から松山が予定を前倒して緊急リリーフを果たすも、相手打線の勢いを止め切れない。
2回に2点、3回にも1点を失い、3回表を終えた時点で0—8と大敗ムードが漂う中、
3回に先頭の安達が執念の粘りを見せ四球で出塁すると、敵失の間に二塁へ。
鬼の形相でチャンスメークに徹する安達のハッスルプレーが傾いた流れを食い止めたか、さらに相手守備陣の乱れと四球で無死満塁。
ここで夏と言えばOKINAWA、俺の季節到来とばかりに頼れる三番・神谷が弾き返した打球は左中間を襲う特大の2点タイムリー二塁打。
1死となるも怯まず、相手ショートのタイムリー失策、さらに小田のレフト線を襲う痛烈なタイムリー二塁打も飛び出し、この回一挙5点。
3点差まで息を吹き返した。
だが相手打線も強力だ。4回表に2死無走者の状態から驚異の粘りを見せられ4点を失い7点差に突き放されるが、
窮地に追い込まれても勝負を諦めないのが、NL・No Limit打線の真骨頂!!
先頭の府後が痛烈に三塁線を破り、“場外”まで運び去るエンタイトル二塁打で無死二塁とすると一死後、
ゲームの流れを演出するラストバッター安達が四球で続きトップに還す。
3回に続き安達のチャンスメークに動揺した相手守備の乱れを誘い、連続タイムリー失策で2点を返し7—12。
さらに塁上を賑わせて舞台は整った。俺の夏、再びとばかりに三番・神谷が今度はカーブを狙い打ち。
外野手が見失うほど高く舞い上がった打球は左翼フェンス直撃のタイムリー二塁打で8—12。
俊三が四球で繋ぎ、さらにチャンス拡大。一死満塁から小田がレフト前に弾き返すタイムリーで9—12と遂に3点差にまで詰め寄った。
勝負所を逃さないベテランの一打でさらに追撃ムードが高まる。
なお一死満塁、続く吉武の打球は右中間を襲う大飛球。走者は俊足の3人、抜ければ一気に同点か……しかしセンターの好守に阻まれる。
それでも三走・神谷がタッチアップで悠々とホームインし10—12と2点差。
奇跡の逆転劇へ……この日安打を放っている松山に全てを託すも、最後はピッチャーゴロに打ち取られ万事休す。
まさに総力戦を戦い抜き、そして痛い星を落とした。
しかし次なる戦いに向けての課題は明確だ。各自リーグ終盤戦に向けての調整に余念はない。

■平成21年6月7日/田尻田園/開始11時/
○N.ライオンズ 5-2 丸喜レンジャース●

MR:0 1 1 0 0 0 0: 2
NL :0 1 3 0 0 1 X: 5

勝・松山5勝1敗0S
松山=府後
打・神谷2
本・美澤1号(ソロ、推定飛距離120メートル)

【経過】リーグ第7戦。
昨年のリーグ戦では苦杯を舐めさせられた相手に対し、持てる力の全てをぶつけて勝ちにいきたい一戦。
先発は左腕エース松山がいつものようにマウンドに上がる。
が、しかし、いつもと様子が違い、なかなか自分のペースでの投球ができない苦しい展開。
これまで好調を維持してきた絶妙な制球力が影を潜め、ボール先行の投球に終始してしまう。
そんな中、初回からピンチの連続で、2回には無死満塁と早くもゲームを壊しかけない展開で最少1失点で切り抜けると、
苦闘するエースを救うのはやはり、NL・No Limit打線の屋台骨を支えるクリーンアップしかいない!!
1点を先制された直後の2回裏無死から、最強にして最重量の四番打者・美澤がショートのグラブを弾く痛烈な内野安打で出塁。
続く五番は若き主砲・大濱俊三。開幕からの不振を脱した積極打法で、チーム一のロン毛を振り乱しながら放った打球は
左中間を深々と破る同点のタイムリー三塁打。
直後の3回表には苦しむ松山が1点を失い勝ち越されるが、後続を断ち大量点を許さない。
何とか援護したい打線はその直後の3回裏、1死1塁から最強の1番打者・徳地がしぶとく一、二塁間を破ると、
頼れる主将・岸本が追い込まれながらも相手投手の繰り出す勝負球をことごとくカットし執念の四球を選んで満塁の絶好機を演出。
ここで打席にはクリーンアップ登場、三番・神谷。ここぞという場面で何度もベンチの期待に応えてきた男が、またしてもやってくれた!
打球はセンター頭上を遥かに越える、走者一掃の逆転3点タイムリー三塁打。
一振りで一気に流れを変え試合の主導権を握ると、マウンドの松山も4回以降、相手打線に得点を許さず
2点リードのまま試合はゲーム終盤、何とかダメ押し点を奪いたい場面。
中盤からの膠着した展開を打破する為に期待するのは主砲の一発。
攻撃最終の6回裏、2死走者なし。ベンチで首脳陣が『ここで一発が欲しいな』と言ったまさにその直後。
四番・美澤が放った打球は、アーチストらしい放物線を描き、高さ5メートル近い左翼フェンスを越える豪快な一発!
今季第1号ホームランは自身の体重をもはるかに超える推定飛距離120メートル弾だ!!
貴重な追加点を奪い、後は松山が7回も相手の攻撃を無得点に切り抜け、完投で5勝目。
エースが抑え、クリーンアップが全打点を叩き出す理想的な展開で勝利をものに
して、チームの勢いはますます加速。
球団創設から通算50勝目を飾り、今後の戦いにまた、期待と注目が集まるところだ。

■平成21年5月24日/駕与丁公園/開始10時/
○インパルス 1-0 N.ライオンズ●

I P:0 0 0 0 0 0 1: 1
NL:0 0 0 0 0 0 0: 0

敗・久保0勝1敗0S
松山ー久保=府後

【経過】今季初の練習試合。
開幕から続くリーグ戦の戦いにさらなる勢いをつけるべく、内容をしっかり残しておきたい一戦。
そんな課題を察知してか、エンジンのかかりが遅いはずのベテラン組が初回からビッグプレーを演出。
1死からファースト右を抜けようかというライナーを、一塁手・吉武がダイビングキャッチで好捕。
ダイブするまでもないはずの当たりを難しいプレーに魅せ、相手の攻撃意欲を失わせる…緻密で姑息な守備で早くも流れを掴んだ。
するとその裏1死から今度は、好調ながらも満身創痍でDH出場の岸本が三塁線を痛烈に破る安打で出塁。
得点には結びつかなかったものの、攻守に渡りチーム最年長組が老骨にムチ打つ気迫のプレーで相手の出鼻を挫き、
チームを盛り立てる。
しかし、相手チームが繰り出す左右の小刻みな継投策の前に、攻撃陣はなかなか得点にまで到らない。
2回2死一、二塁、4回1死一、二塁と数少ないチャンスを掴むも得点ならず。
それでも先発・松山は気持ちを切らす事なく集中力を高め、左腕エースの名に相応しい投球で無失点イニングを積み重ねる。
そんなエースの力投にバックも堅い守りで応え、遂に0-0で迎えた最終回。
マウンドには6回無失点の松山の後を受け、助っ人・久保が上がった。
あと1人抑えれば負けがなくなる場面…2死二塁からしぶとく二遊間を破られてしまう。
ここで猛然とダッシュし打球を掴んだセンター俊三が、石垣島へ届けとばかりの強肩バックホーム!!
見事なストライク返球でタイミングはアウト、誰もが心の中でガッツポーズを決めた瞬間………捕手のミットからボールが、ポロリ……。
遂に1点の先制点を許してしまう。
土壇場で均衡が破れ、意気消沈の打線は最後も簡単に三者凡退に終わり、無念の敗北に終わった。
しかし、落ち込んでいるヒマはない。敗れても大いに収穫を得た試合を糧に、さらなる熱き戦いに向けNLナインの“全力で挑戦”は続く。

平成21年5月10日/駕与丁公園/開始10時/
○長尾軍団 4-2 N.ライオンズ●

NL: 0 0 0 2 0 0 4 : 2
NG: 0 0 0 1 2 1 1 : 4
(※7回裏2死、時間切れにより打ち切り。規定により6回終了時点でのスコア適用。長尾軍団の勝利)

敗・松山4勝1敗0S
松山ー美澤=府後

【経過】リーグ第6戦。
名勝負数え唄を奏でてきた長尾軍団戦で、またしても大激戦が繰り広げられた。
NL先発・松山と、これまでNL打線の前に立ちはだかってきた長尾軍団エースのシビれる投げ合いで
3回まで両チーム無得点。
しかし試合途中から遅れて登場したNL大魔人・美澤の姿を確認した相手エースが動揺…4回から突如ゲームが動き出す。
この回先頭の岸本が右中間を深々と破る二塁打で出塁すると更に二、三塁としチャンスを広げる。
1死後、先制の絶好のチャンスに打席には今季開幕からいまだノーヒット…悩める若き主砲・大濱俊三!!
長い眠りから醒めた若獅子が導き出した答えは得意の右方向!鋭くライト前に弾かれた打球は、二者を還すタイムリー。
ようやく“開幕”した主砲の一打で貴重な2点を先制!
しかし、その裏1点を返されると流れを掴まれた5回裏には2点を奪われ逆転を許し、さらに6回にも1点を追加され、
いよいよ万事休すか……。
……と思われた土壇場の7回表、それでも諦めない事がNL・No Limit打線の真骨頂。
1死満塁からMG深町のピッチャー前へ転がったボテボテの当たりが野選を誘い1点差に詰め寄ると、
続く安達が押し出しの四球を選び遂に同点!
さらに攻撃の手は緩めず、2死満塁から岸本の打席で暴投。三走・MG深町がスタートを切り、
本塁も飛び越えて通過するほどの激走で遂に勝ち越し!
土壇場での逆転劇で大歓声に沸くNLベンチの総決算…ここで打席には主将岸本!!
2死二、三塁から放った打球はレフト前に弾かれる痛烈なタイムリーとなり2点差にリードを広げる。
あとはスッキリ試合を終わらせたい7回裏、前の回より登板した大魔神・美澤はまさかのピンチを背負い1点を返され
なお無死満塁…絶体絶命の大ピンチ。
ここで大エースの闘志に火が点きエンジン全開となった投球で二者連続三振を奪い、あと1人……
……しかし……ここで無情にも主審が時間切れによるゲームセットを宣告……
7回表裏の攻防が認められず、6回までのスコアで試合が成立。
あと1人でルールに足元をすくわれ、痛恨の1敗を喫してしまった。
この悔しさを再び力に変え、続くリーグ戦の荒波を乗り越えていきたい。

■平成21年4月26日/駕与丁公園/開始10時/
○N.ライオンズ 6-0 ダービッツ●

NL:0 1 0 2 0 1 2 : 6
D  :0 0 0 0 0 0 0 : 0

勝・松山4勝0敗0S
松山=神谷
打・小田1

【経過】リーグ第5戦。
ここまでの好調なチーム状態を維持して、“挑戦者”として攻めの野球を貫いて行きたい。
先発は左腕エース・松山が当然のようにマウンドに上がる。
立ち上がりから大胆かつ慎重な投球で球威・制球とも低めに集める今季一番の内容を見せる。
相手打線から三振の山を築き、凡打に打ち取るエースの力投に打線が応えるべく2回、
絶好調で6番に“昇格”した小田が1死一塁から左中間を深々と破るタイムリー二塁打で1点を先制。
打順組み替えが的中したNLベンチ。さらに追加点を奪ってエースを楽にしたいところ。
4回は1死一、二塁から美澤が左中間にキッチリ落とすタイムリー。 
さらに松山自らの内野安打も出て2点を加える。
ダメ押し点を奪いたい打線は6回、2死二塁から吉武がセンター右へ弾き返すタイムリー。
最終7回には2死一、二塁、ここで仕上げは“NL史上最恐の四番打者”美澤!!
痛烈な打球は左翼を越えるタイムリー三塁打となり2者が生還。試合を決定づけた。
先発・松山は最後まで安定した投球を続け、今季初の完封で開幕から4連勝。
平均年齢層の高い老獪な内野陣と、フレッシュで守備範囲の広い外野陣の堅い守りもあり、
リーグ戦4勝目を挙げた。

■平成21年4月12日/西畑運動公園/開始12時/
○N.ライオンズ 4-1 ブルドッグス●

B   :0 0 1 0 0: 1
NL :0 0 3 1 X: 4

勝・松山3勝0敗0S
S・美澤0勝1敗2S
松山ー美澤=府後
打・神谷1

【経過】リーグ戦ブロック内前半戦最後の戦い。
何としても勝って首位ターンを決めたい一戦。立ち上がりから気合い十分の左腕エース松山は、
暑さに負けない熱投を続け2回まで相手打線に得点を許さない。
しかし3回に先制の1点を許し、なお大量点のピンチを背負うも、ここは何とか踏ん張り最小失点に抑えて打線の援護を待つ。
するとその直後の3回裏、エースの力投に打線が応えないわけがない。
先頭・松山が自ら追撃の口火を斬るお約束の死球を喰らい、さらに1死一、二塁のビッグチャンス。
WBCでのイチローのごとく、ここで廻ってくるのがしびれる男だ!若き主砲、神谷。
豪快に振り抜いた打球は鮮やかな放物線を描き、左翼手のはるか頭上を越えフェンスまで到達する特大のタイムリー三塁打。
2者が生還し逆転を果たすと、ここでさらに畳み掛けるのがNL・No Limit打線の真骨頂。
この回の四番・美澤、さらには4回に五番・俊三の打席で相手エラーを誘い、さらに追加点を奪った。
力投を続ける先発・松山の後を受け、最終回は万全を期して守護神・美澤がマウンドに上がった。
1人走者を出しながらも素早い牽制球で刺しゲームセット。
NLは9人全力野球で内・外野手の堅い守りもあってリーグ戦3勝目。

■平成21年3月29日/上月隈第1/開始15時/
○N.ライオンズ 15-2 チームH●

NL :5 1 6 2 1 0:15
TH :1 0 0 0 0 1: 2

勝・松山2勝0敗0S
S・美澤0勝1敗1S
松山ー美澤=府後
打・府後1

【経過】WBC連覇を果たした侍ジャパンの勢いに便乗して行きたいNLのリーグ第3
戦。
序盤からその勢いに乗ったNL・No Limit打線は初回、美澤の左前2点打、府後の左
越え二塁打、MG深町の左前2点打で一挙5点を先制。
その裏1点を返されると2回には小田の左前打でさらに突き放し、3回には怒濤の猛
攻撃が開始される。
美澤の左中間二塁打、吉武の右越え2点二塁打、府後の中前打、松山の右翼線2点
二塁打など、8打者連続安打の猛攻で6点を追加する圧巻の攻撃。
4回も攻撃の手を緩めず、小田のこの日4安打目となる技ありの右前2点打が炸裂。
5回にも1点を追加しトータル15安打15得点。
先発・松山は打線の援護もあり3回1失点の好投で今季2勝目。
4回から登板した美澤が球威・制球共に抜群の好救援を見せ、NLはリーグ戦2勝目
を飾った。

■平成21年3月15日/春日西/開始9時/
○Baccanale7‐1N.ライオンズ●

NL :0 0 0 0 0 0 1: 1
BC :0 0 3 1 3 0 x: 7

敗・美澤0勝1敗
美澤ー松山=府後ー美澤

【経過】リーグ第2戦より交流戦に突入。
2週間前の開幕戦を白星で飾っているだけに、連勝して波に乗りたいところ。
NL先発は遂に満を持して大エース・美澤がマウンドに上がった。
2回まではNL内野陣の堅い守りも手伝い、相手打線を無得点に抑える。
しかし3回に重い3点を失うと4、5回には手痛いミスの連発で失点し一方的な展開となってしまう。
何とか一矢報いたい打線は最終回、麻生が意地の左前タイムリーで1点を返すも反撃はここまで。
リーグ戦は1勝1敗となり次戦仕切り直しへ試合後、緊急ミーティングに突入した。

■平成21年3月1日/東油山/開始9時
○N.ライオンズ4‐2Peeps●

P   :0 0 2 0 0 : 2
NL :0 1 0 3 x : 4

勝・松山1勝0敗
松山=岸本
打・松山1

【経過】今季開幕戦にしていきなりのリーグ初戦。
相手は昨年準VのPeepsとあってチームの士気も一気に高まった。
2回、1死二、三塁からMG深町の投ゴロの間に、三走・小田の好走塁で1点を先制。
3回に2点を奪われ逆転を許し、対Peeps戦3連敗中のチームに暗雲が立ち込める。
4回にはさらにピンチを迎えるも、ここは鮮やかな5-4-3の併殺に仕留めて嫌な流れを断ち切った。
するとその裏、先頭の吉武が三塁内野安打で出塁。老骨にムチ打つベテランの激走にNLナインの反撃ムードが一気に加速した。
2死となったが二、三塁から松山が痛烈に一二塁間を破る右前打を放ち執念の逆転に成功。
さらに1点を加えてそのまま逃げ切り、4年連続開幕戦白星を飾った。
先発・松山は初の開幕投手を5回2失点で完投勝利。
2年振りのV奪回へ向けてNL2009年の好スタートを切った。